それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 気合いで片付けようとした和俊に、稲葉の容赦ないツッコミが襲う。

「じゃけえ今朝ゆうたじゃないですか! わしの力がボールに乗り切ってないって!」

「じゃあ、なんで乗り切ってないんだと思う?」

 稲葉がまたツッコんでくる。現場仕事で事故が起こった際に行われるKY(現場の場合は【空気読めない】ではなく【危険予知】を指している)活動の極致、【なぜなぜ活動】である。

「それが解りゃあ、聞きゃせんでしょうが!」

「逆ギレかい? みっともないね。自分の欠点を自分で気付けない人に、今以上の成長は無いんだよ?」

「うっ……」

 和俊は何も言い返せなかった。



 自分を一番よく知る者は、結局自分自身なのである。



「私は気付いたが、できれば剣持自身に気付いてもらいたい。君は納得せんだろうが、今日は座学だね」

 室内に引き篭ってお勉強してなさいとのメニューを当てがった。

「部室にピッチング教本が二冊あるから、帰りまでに全部読んでおくように」

< 31 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop