奥に眠る物語
流星群
36.8。

朝起きて頭がすっきりしていたので熱を測ると、だいぶ熱が下がっていた。

コレならバイトにいける。

私は勢い良くベッドから起き上がって支度する。

「よし、いきますか!!」

鍵やら大事なものを確認して家を出た。








チリリンッと軽快な音をたてながら店の扉を開ける。

「おはようございますっ!!」

「お! 復活早かったな」

カウンターで自分用のコーヒーを淹れているオーナーが二カッと笑った。

私はロッカーに行って荷物を置き、カフェエプロンをしてホールに出る。

「ん? そのネックレス預かり物なんじゃねぇのか」

「あ、これですか? なんか外す機会がなくて」

首元にそっと手を寄せて石をいじる。

「まぁいいけど。 ほら、飲みな」

そう言ってカウンターに置いてくれたカップには先程淹れたばかりのコーヒーが入っていた。

「やった! いただきますっ」

私はカウンターに座っていつも通り砂糖とミルクを引き寄せる。

今日は砂糖多めにミルク少なめ。

相変わらずオーナーはこのコーヒーの美味しさが分からないらしく、私をあきれた目で見ながらコーヒーを飲んだ。

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