狐

壱

森で彼、才蔵と出会ってから早くも２年が過ぎた。
才蔵は、名を持たない私に『真白』という名をくれた。
私の白い毛が美しい…からと言っていた。
初めて才蔵に貰った贈り物。本当に嬉しくて…その時は泣いてしまった///



私の愛しい才蔵…お嫁さんは未だに『お嫁さん』という立場が不満らしい。
何が不満なのか分かりません。


大分、山での生活に慣れてきた。

動物達も初めは警戒していたが、今ではすっかい打ち解けてしまった。

猿や子犬、小動物達にいたっては、膝に乗り気持ち良さそうに頭を撫でられている…嫉妬で狂いそうです。

なので///大きな背中に抱き付き…
『私にも構って下さいっ!!寂しいではないですか///』と言った。

そうしたら…才蔵は笑いながら抱き締め、私の唇に唇を重ねた。


２人だけのこの時が最も私は愛しさに満たされる。