ワタシノタイヨウ

『じゃあ、またお願いします。』


そう言って、とびっきりの笑顔で先生に挨拶する私。

すると、彼は少し驚いた顔をして私をじっと見つめた。


（えっ‥私の笑顔なんか変だったのかな？？）


私は恥ずかしくなって目をそらそうとしたけど、彼の真剣な表情になぜか目をそらすことができず、ドキドキしながらその場に立ち尽くしていた。


少しして急に我に返った彼は、ふいっとパソコンに向かい、自分の仕事をやり始める。


（ふ〜心臓止まるかと思った‥。でも今の何だったんだろう…）


私は少し不思議に思いながら、ドアまで行き、彼の背中を見ながらもう一度お礼を言う。

すると彼は左手を上げ、


「気をつけて帰れよ。」


そう言って手を振ってくれた。



私は廊下で一人にやけていた。

今日は彼のいろいろな表情が見れて、私は彼との距離が少し近づけたような気がして嬉しくなる。

この前あんな事があって彼に突き放された私。

彼との距離を感じ落ち込んでいたのが嘘みたいだ。


（もっと、いっぱい先生の事知りたい！）


私は今日の事をツキコに聞いて欲しくて、ポケットから携帯を取り出し開いた。



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