夏の約束
病院
毎日学校帰りに真っ先に病院に向かう
病院に着くと、もはや位置を憶えたじいちゃんの病室へ行く
涼しい空気の中でじいちゃんと過ごし、ある時間となったら中庭へと走る
そして二時間だけ遊ぶのだ
俺はそれが日課となっていた
「毎日お見舞いに来てくれる孫を持って、わしは幸せじゃの」
いつものようにじいちゃんの部屋に居る時、そんな言葉を言われた
「…そうかな」
病院に来ているほとんどの理由が、翔と遊ぶためとなっていた
もちろんじいちゃんのお見舞いでもあるが
「ここで友達出来たんだろ
良かったなあ」
俺は、うんと頷きつつ、宿題を進めてた
翔に教えてもらおうと思っていた
翔は学校に行っていないらしいのだが、俺よりも格段に頭が良かった
「じいちゃんな、明後日退院出来るんだ」
そうなんだ、と曖昧に返事をした
じいちゃんが退院してもここには来るからだ