夏の約束
「…い、てえ」
俺は体を起こした
そして腕の中にしっかり猫が無傷でいることに安堵した
そのまま顔を上げると、真っ青な顔をした翔が確認できた
しまったと思った
「し、翔、俺怪我してないからさ
そんな真っ青にならなくても」
「そういう問題じゃないよ!」
翔には珍しい大きな声で叱られた
その後も注意力が足りないだの、怪我しなきゃいいわけじゃないだの延々と言われた
本来なら俺はこういった注意を聞かないのだが、翔はこの間ずっとボロボロ泣いていた
それを見てる俺もなんだか胸がずきずきした
もう、木登りはしないようにしようと決めた