夏の約束
手術
次の日も当たり前に病院に向かった
今日は学校の友達である一樹に貰った金米糖が土産だ
いつもどおりじいちゃんの病室へ行き、いつもどおり時間を待ち、いつもどおり中庭へ向かった
そしていつもどおり翔が…来なかった
なんで来ないんだ
まさか、翔の病気って心臓のとかじゃないよな
心臓の病気って、びっくりしたりとかしちゃだめだって聞いたことある
まさか昨日ので悪化したとか
しかも泣かせちゃったし、これで悪化してたら俺のせいだよな
様々なことを考えたが、結局なんともならなかったので、俺は初めて翔の病室に行ってみることにした
よく考えると翔の名字を知らないことに気づいたが、看護師は翔のことを知っていたらしく、俺はホッとした
翔の病室は一階にあり、わりとすぐに着けた
横開きのドアに手をかけ、緊張しつつもゆっくり開けた
白しかない部屋の中に一つだけ置かれたベッドの上に翔はいた
ドアが開いたことに気付いてないらしく、本を読み進めている
「…翔」
俺が呼ぶと翔は顔を上げ、こちらを見た
翔はぱあっと笑みを浮かべた
「勇希、来てくれたんだ
ごめんね、行けなくて」
「別にいいけど、どうしたんだ?」
昨日のせいで悪化したとでも言われたらどうしようと思った
しかし、そんな心配も必要なくとも翔から返ってきたのは違う内容だった