未完成な僕ら
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「サッカー興味ある?」
ドリブル練習をはじめたサッカー部をみていたら、急に後ろから声がした。
ビクッと跳ねてしまった自分の体を恨めしく思いながら、ゆっくり振り返る。
二重瞼で黒目がちな2つの瞳が自分を見ている。
「長田悠葵…」
あたしがそう呟くと、相手は少し目を見開いた。
「うちのこと覚えてんの?」
と聞いてくる。
「トー兄の彼女だよね?」
実都がそうに返すと、
「うん!」
と頷いて、悠葵はニカッと嬉しそうに笑った。