未完成な僕ら


「実都ちゃんだよね?」

「そーだけど…呼び捨てでいいし」

「まじっ?ならうちのことも悠葵って読んでよ!」

「ん。」

そう返事をすると、悠葵はあたしが座っている机の前の席に腰掛けた。


少し茶色っぽい髪をショートにして、男子みたいなツンツン頭にセットしてある。

歩き方とか座り方とか男っぽいけど、それでも顔が整っているから女の子に見える。


「さっきサッカー部の練習見てたよね。サッカー好き?」

再び悠葵が聞いてくる。

「まぁ、嫌いじゃないけど」

と答える。

トー兄の試合を見に行ったりするし、テレビ中継とかも見る。


< 22 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop