【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……笹川、大丈夫かな」
母親とうまくいってるかな?
「……"残酷"か」
"残酷"って一体、どんな時に使うんだろうな。
"……あんな人、母親なんかじゃない"
笹川と初めて喋ったあの日、笹川は母親に対してそう言った。
"あの人はあたしのことなんか考えてない。……きっとあたしのことなんかどうでもいいんだよ"
俺が笹川の家に行った時、笹川は寂しげにそう言った。
"……あたしは生まれてきちゃイケない子だったんだよ"
笹川は一度も、俺の前で笑ったことはなかった。
……いつも寂しそうな顔してどこかを見つめているんだ。