狙われし王女と秘密の騎士

その通りだ。
いつかは国をサルエルから取り戻して、お父様やルカや捕まっている下臣を助けたい。
国民だって今不安に駆られているだろう。今後どうなるかわからないし、安全を守りたい。

しかし、こうもサルエルの手にすっぽり納まるとチャンスもそうは簡単には見つからない。
町の人たちも、悔しい、納得出来ないなんて言っているけれど、大体が諦めモードではないか。
私ひとりで何が出来ると言うのか。
救う方法なんて浮かばない、今は逃げることしか出来ない無力な王女に何が出来るのか。


「お前なら何が出来そうな気がする」
「何かって?」


カイルは少し考えた様子を見せて、場所を変えようと言った。



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