Heart of Melody



次の日。


ピピッ


「やだ、歩夢38度も熱があるじゃない」


「昨日で力使い切ったかな?((笑」


まさか熱を出すなんて…何年ぶりだか…。


「今日休めば明日土曜日だし…ゆっくりしなさい」


そう言って母さんは部屋を出て行った。


9時。


「暇…」


吐き気とかもないから
すげぇ暇。


両親も仕事で家に居ない。


「学校行きてぇな」


そういや、水無月と一日一度も会わないなんて、付き合い始めてからは初めてじゃないか?

部活とかあったし、夏休みの部活休みはほとんど会ってた、いや、俺が会いに行ったな((笑


(今...なにしてるのかな)

水無月が恋しくなった。あの笑顔を間近で見ない事がなんか寂しい。



教室で自分の机がポッカリ空いてるのを想像していた。



漫画を読みあさり、疲れて寝たり。


こんなに無駄に時間を使うなんて珍しいや。


ピアノに触りたいけど起き上がるのはちょっときついな。


ぐだぐだしてたら時間は5時をまわっていた。



ピンポーン...


インターホンが鳴った。

家には誰も居ないから俺が出るしかないな。



これが、苦しみと悲しみのMelodyを奏でる前奏になるとも知らずにね。




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