拘束お姫様 *番外編開始





庭園で一人紅茶を飲みながらなごんでいる時、シンデレラはある事を知らされてしまう。

それは本当に、突然だった。


「お姫様…」

メイドの一人が、困ったように眉を下げて、重い口を開けた。

「あの………」

唇を僅かに噛み締めて、そのメイドは黙り込む。


「どうしたんですか?」

不思議そうに、彼女は首を傾げる。


「今夜、そして明夜(みょうや)と、街に住む若い女性を招いた舞踏会が開(ひら)かれます」

え? とシンデレラは驚く。

その舞踏会とは、王子の婚約相手を見つけるためのもの。
王子はシンデレラと婚約したはずなのに、新たに、舞踏会が開かれるのだ。


どうして?


ズキリと心が痛む。


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