拘束お姫様 *番外編開始
*
庭園で一人紅茶を飲みながらなごんでいる時、シンデレラはある事を知らされてしまう。
それは本当に、突然だった。
「お姫様…」
メイドの一人が、困ったように眉を下げて、重い口を開けた。
「あの………」
唇を僅かに噛み締めて、そのメイドは黙り込む。
「どうしたんですか?」
不思議そうに、彼女は首を傾げる。
「今夜、そして明夜(みょうや)と、街に住む若い女性を招いた舞踏会が開(ひら)かれます」
え? とシンデレラは驚く。
その舞踏会とは、王子の婚約相手を見つけるためのもの。
王子はシンデレラと婚約したはずなのに、新たに、舞踏会が開かれるのだ。
どうして?
ズキリと心が痛む。