拘束お姫様 *番外編開始


「……ッ」

抑えようとしても、涙は零れ落ちる。
僅かに震える手でクロードの腕を掴んでは、涙を隠そうとシンデレラは俯く。


「ねぇシンデレラ、こっちを向いて」

「いや、です……」

それは、掠れた声。

「どうして?」

「………」

彼女が嫌がる理由なんて、本当は分かってる。
でもね、シンデレラ。

「泣いてる姿を、隠さないでおくれ」

僕は我がままだ。
君の笑ってる姿を見たいと思うのは勿論だけれども、怒っている姿も、悲しんでいる姿すらも、見たい。


「僕は、君の全てを受け入れたいんだ」

全て僕に見せて。何も、隠さないで。

これは、我がままな僕の願い。

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