きらきら。

理由




リュウくんと出逢った次の日。
昨日からきになってたことを聞いてみた。



「ねぇ、なんでリュウくんって羽が片方なの?」



言ってから、聞いちゃいけなかったかな、と思い、
「あ、言いたくなかったらいいんだけど!」
と、付け足すとリュウくんは笑った。
「あはは、大丈夫。
 こんなの誰でも気になるよねー。」
「うん、まぁ・・・」
「片っぽの理由はねー、もう聞いたら泣いちゃうよ。」
「え、やっぱ悲しいコト?だったら・・・」
「ぜーんぜん?まぁいいから!」
そう言うとリュウくんは話し始めた。



「むかーしむかし、あるところにひとりの天使が居ました。
 それはとても美しい女性の天使です。
 彼女はいつものように、人間の魂を送る仕事をします。
 しかしある時、彼女は人間に恋をしました。
 人間も彼女に恋をしました。
 好きな人を死なせたくない一心で、彼女は掟に背き、その人間の運命を変えました。
 死ぬことが決まっているのに死なないようにしたことの罪は重く、彼女は羽を折られ、天界から追放されました。
 けれど彼女は一切後悔していません。
 好きな人と暮らせて、子供にも恵まれたからです。」
「すごい・・・すてきだね・・・あれ?でも関係なくない?」
「まぁまぁ、少し続くから!」
「・・・うん?」



「そして生まれた子供はなんと、片翼しかない天使でしたとさ!」



「・・・うん・・・?」
「そしてその子をリュウと名付けました。ちなみに漢字は“竜の羽”って書くんだよ~♪」









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