【BL】Monster
「ここだ。まあ、入ってくれるか?」


屋敷、と呼ぶに相応しい立派な洋館は、広大な敷地に堂々とそびえ建っている。
広い庭には、ライが端正込めて育てている薔薇が、見事に咲き誇っている。

―ありあが好きな花だ。


ちらり、と大和の方を見る。
ほんのり嬉しそうに、薔薇を撫でていた。
その様子は、ありあに本当によく似ている。


「何本か、摘ませようか?」

試しに聞いてみる。
ありあなら。

「んなこと、しなくていい。薔薇が可哀想じゃねーかよ!!」


―あぁ、そういうと思っていた。

返事に満足して、中へ誘う。




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