ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
「そうですか? 

たしかに、配合がちょっと
かわっている分、斬新さは
あるかと。

安藤さんがすぐに感覚を
掴んでくれたんで、オレも
助かってますよ」


「いえいえ、そんな。

一ノ瀬さんの指導が
いいからですって♪

あ、戻ったらショコラ
タルトのフィリング
やるんで、チェックも
お願いします☆」


「あぁ、わかりました。

あ、クーベルチュールを
扱うときは――……」




ふたりは、熱心に話を
しながら、通りすぎて行った。



……あたしに気づく気配
なんて、これっぽっちもなく。





_
< 154 / 323 >

この作品をシェア

pagetop