ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
そんなことは、どーでもよくて。



ただ、ようやく見つけた
その姿を振り向かせる
ためだけに。



あたしは、ありったけの
大声を振り絞って、その
名前を叫んでた。





「――――美…紅!?」




お店――『パティスリー・
ルナ』の前の通り。

そこにゾロゾロと
たむろってる人の集団が
ざわついて。


その中の、あたしが探し
求めてた黒髪の長身が、
ハッとしたように顔を
上げてこっちを見る。




_
< 241 / 323 >

この作品をシェア

pagetop