ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜
スッと、細くて白い指が伸びて
きて――それを防ぐように、
あたしの顎をクイッとつかんだ。



「みみみみっ、貢にぃっ!?」



ちょっ、待って――まさか――!?



やんわりとした拘束が、俯くのも
目線を反らすのもさせてくんない。


目の前に、ジッとあたしを見つ
める貢にぃの顔があって――


ヤバい、マジで心臓が壊れそう
だよぉっ。



硬直するあたしの前で。


まだ座ったままだった貢にぃが、
ゆっくりと腰を浮かした。


さっきよりもずっと、顔が近く
なる。

深い色した瞳が近づいて、長い
指がそっと動いて――……。




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