空のために

◇.空の本性

空と私が付き合ったことはすぐに知れ渡った・・・
なぜかと言うと、あの後に・・・



「愛?俺不安だわ・・・」
「なにが?」
「愛かわいいからほかの男に取られる・・・・・・わけないか。だって愛は俺が大好きだもんねー」
「なっ、ちょっとなに言ってんの!?」
「でも、一応先手を打っとかなきゃね・・・」
「先手?」
「なんでもないよ。愛、ちょっと来て来て♪」
「どこに?」
「食堂。」
「ご飯食べるの?」
「うん。いいから来てよ」
「別にいいけど・・・」


そう言った空の顔はニコニコだった。
そんなにご飯食べたかったんだ・・・
なんか悪いことしちゃったかな・・・
なんて1ミクロでも考えた自分を恥じた。
空が考えていたことは・・・


「あれって、1年の空峰君と薗田先輩だよね!さっき暴れてた。」
「そうそう。怖いよねー」
「無理やり空峰君と歩いてるんだ。」
「空峰君かわいそうだよね・・・」
なんて陰口が食堂の中を響き渡った。
正直なんとも思わなかった。
どうでもよかった。
今は空がいるから・・・
「空?なに食べるの?」
「ん?愛だよ?」
「は?なに言ってるの?」
「あのーっ!!食堂のみなさーん・・・話聞いてもらえますかー?」
「は!?」
空がいきなり変なことを言い始めた。
あまり目立ちたくないのに・・・
「え?なになに?」
「話聞こうよっ」
「なんか面白そうじゃん♪」
口々にそう言ってあ周りが静かになった。
「あのー。ここにいる薗田愛先輩は・・・俺の彼女だからー愚痴言ったり、いじめたりしたらー・・・」
バンッ
すごい大きい音がして・・・
食堂にいる全員が驚いた。
「・・・潰すよ?」
「・・・・・・・・」
静まり返った食堂。
全員の口が開いている。
もちろん私も。
「言いかったことはそれだけですよ♪それじゃーねぇ。行くよ先輩。」
「え?あ、うん。」
ザワザワする食堂を後にした。

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