《完》シークレットコードにご用心
「わっ、わかったっ」


あたしは光琉に引っ張ら
れるようにして走り出した。


ヤンキー達が何か言い
ながら追ってくるのが、
視界の端にチラッと映る。

……やっぱり間違いない。

あいつらは、あたし達を
追ってる。



――光琉も藍も、さっきの
走りはゼンゼン本気じゃ
なかったのがすぐにわかった。


だって今のスピードは
比べものになんないくらい
速くて、あたしは転ばない
ように走るので精一杯。


あたしも子供の頃から
短距離走は得意だった
けど、これは別問題だわっ。


不安にかられたまま
めちゃくちゃに走ってる
だけだから、あっと言う
間に息があがってくる。
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