≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「そろそろ面会時間が終わるから、オレ帰るね。」



「うん・・・。ピカちゃん・・・・」



樹花のベッド脇のイスから立ち上がったオレに樹花は話しかけた。



「わたしね、もうすぐ退院出来そうなんだ。」



「そうなの?」



「うん・・・。先生がね、思ったより立った時のフラつき感とかないから、案外退院早いかもって。」



「へぇ・・・・・よかったね・・・・」



こんな・・・

人事っぽい返事になってしまったのは・・・・

樹花が退院した後、どこに戻るのだろう・・・

と、一瞬・・・・

心の中に『おかしな』動揺が生まれたからだった。

< 116 / 348 >

この作品をシェア

pagetop