≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
第三章

色情霊

---- タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ・・・



オレは足早に階段を上るナースの後を、ためらいながらも追いかけた。


ナースが到着した病室は、すでに患者を他の場所に搬送する準備が整っていた。


病室の入り口を見ると『浅川陽子』の名前があった。


オレは、名前を見てもソレがハルの母親の名前かどうか分からなかった。


しかし、ストレッチャーで病室から運び出された患者の顔を見て、それはやはりハルの母親であることが認識できた。


ただ、ハルの母親は全く動かず、顔は青ざめ、生きているのか死んでいるのかよく分からなかった。


オレは、階段を駆け上がった事と、緊迫した状況でのプレッシャーで、かなり息があがっていた。


「ハァ・・・あの・・・浅川さんは・・・どうされたんですか・・・・」



樹花の見舞いで、多少は顔見知りのナースがオレには居た。

その顔見知りのナースの1人に、オレは尋ねた。



「あら・・・ピカくん・・!?・・浅川さんと知り合い?」



ナースは忙しそうに、ストレッチャーを引きながらも、オレの質問に応えてくれた。



「はい・・。・・あの、ハル・・娘さんが来るまで少し時間がかかるんでしょう・・?」



オレも、その急ぐスピードに合わせて、早足でストレッチャーについて行った。



「えぇ・・そうだけど。」


ナースはそれ以上、オレに答えていいかどうか迷ったのか、口を閉ざした。


「浅川さんの娘さんとは、中高同じ学校だったんです。浅川春菜さんですよね。・・・おばさんには、その頃・・オレお世話になった・・っていうか、・・迷惑ばっかりかけて・・・」


そういうと、ナースはニコッと笑った。





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