≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「若い頃は、誰でも大人には多少の迷惑はかけるモノよ。

例え、本人に自覚が無い場合でもね。

でも、ピカくんみたいに、迷惑かけたって自覚出来ている子に成長したんなら、大人はそれで十分だって思えるモノよ。」



ナースは、人生の先輩らしい言葉をオレにかけてくれ、目線を今運んでいるハルの母親に向けた。



「・・ところで、ハルのおばさん・・大丈夫なんですか・・?」



そう言うと、ナースの顔は少し曇った。



「浅川さんは今から緊急オペなの。

状況は・・一刻を争う・・としか私には言えないけど・・・。

詳しい内容は、先生がご家族へ説明なさるわ。」



「・・そうですか。

ハルが到着するまで、オレがオペ室の前で待機してますんで、何かあったらすぐに声をかけて下さい。」



「分かったわ。でも、ピカくん時間は大丈夫?いつもお仕事で忙しいんじゃない?」



「大丈夫です。今夜は職場に戻らなくていいんで・・・」



「そうなの。」



ナースは、もう1人のナースがエレベーターを開くと、急いで乗り込んだ。

スペースが空いていたので、オレも同乗した。


オペ室にハルのおばさんが運び込まれると、すぐに『手術中』の赤いランプが灯った。

オレは、オペ室から少し離れた待合室のソファーに腰を下ろし、ハルの到着を待った。


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