あたしの仮旦那は兄貴の親友
「あー、美味しかったねえ」

なんて言いながら
あいつが車を運転してくれる

「仕事、大丈夫なのか?」

「はい? 平気だよ」

「最近、寝不足じゃん」

「んー、今日はゆっくり寝られるよ
お祝いの日だしね
果恋ちゃんとベッドでまったりしたい」

あたしはぎゅっと鞄を抱きしめた

ごめん…今日は記念日じゃないんだ

お祝いの日じゃないんだよ

出してないんだから

あたしとあんたはまだ
正式な夫婦じゃないんだ

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