パステルクレヨン
「よっ早瀬」
…………へ?
「えー杏樹、誰この人彼氏?L高じゃん、アタマよさそーってか背たかーい!」
中学の違うチハルちゃんがあたしの横でボソボソと興奮してる。
「…何してんの、玉置…」
放課後、そのまま図書館に行こうとしていたあたしは、校門の前で待ち伏せしていた玉置に心臓が出そうになった。
「あー今日、図書館行かない?なんか来ちゃったんだけどーもしかしたら早瀬、怒ってたらどーしよーって思ってさ」
「別に怒ってナイけど。もういいから。あたし、別に1人でも図書館、行けるから」
一緒にいたヒロコもチハルちゃんも置いて、あたしはすたすたと歩き出した。
「おいー早瀬。ちょっ…話、聞いてよ。俺、話しに来たんだからさ」