パステルクレヨン
『エ?いいって別に。俺、男だし。家、大通りだしさ』
『違うの……っ』
『…ん……?』
『…今日のことじゃないの…前の……あの…な……鳴海さんのこと…』
『何、急に。…鳴海がどうかした?』
あ、ちょっと今、不機嫌になった。
『あの時…、鳴海さんが元カレとキスしてるとこ、見たの…ヒロコとあたしなの』
3年前。
学校でもスタイルがよくて有名だった鳴海さんに一目惚れした玉置は、鳴海さんに告白。
めでたく付き合うようになって周りのみんなも祝福してくれて。
…全てがうまくいってるかのように思えた。
だけどある日曜日、たまたま近くのショッピングモールに買い物に来ていたヒロコとあたしは
鳴海さんと元カレが歩いているのを目撃。
まだこの2人は、切れていなかった。