パステルクレヨン



―――笑ってるのがお前らしいから、いつまでも笑ってて。



泣き虫だったあたしを


弱かったあたしを


目を反らして逃げていたあたしを



そうまるで


初めてのキスみたいに


優しくぎこちなく


包んでくれていたのは



あなたでした。





今でも変わらないよ?



大好きな気持ちも、尊敬する気持ちも。



まだ好きなの?と言われることを、恥ずかしがらなくても、いいんだ。



玉置を好きでいたこと、誇りに思えるよ。



過去も今もこれからも。



玉置には、あたしの『王子様』でいてほしいの。



報われたいという気持ちと一緒に、あたしは幸せになれなくてもいいとも思うの。



玉置が幸せになれれば。







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