パステルクレヨン
「でも、ホントにヒカルくんとのことは誤解で…
あの日、あたし寝坊しちゃって、ヒカルくんの隣の席が空いてたから座らせてもらっただけだし
帰りだって、帰り道だから一緒に帰っただけ。 ホントに…」
「分かってるよ」
あたしの声に、玉置の声が重なる。
「……分かってるから」
なぜだかは分からない。
いつからかも分からない。
きっかけも、理由も分からない。
でも、あたしが玉置を好きだっていうことは分かってる。
あたしが1番、よく分かってるよ。
「うん…。 明日、頑張って。 応援してる」
あたしはしっかりと玉置の目を見た。
「ありがと…だけど、分かってんだ。 国立の推薦なんて狭き門だから受かんないって。
俺みたいな一般人が受かったら万々歳だよ。 ダメ元で、チャンスが増えるだけだって」
え?
あたしは玉置の言葉に、違和感を感じた。