銭コ乗せ
「うん?なんだこりゃあ…」

中味をまさぐったボスが、身に覚えのない手触りに、顔をしかめた。

取り出してみると、




ギッチャギッチャ…。


そう、



使い古しのマジックハンド。


口をあんぐり開けるボスを中心に、

辺りには静寂がしばらく続く。


「ハハ。」


「ハッハッハッ。」


「ハッハッハッハッハッ!!」


周りは静寂を守って、ボスの笑い声だけが鳴り響いた。


「お前…こんなものを賭けて、俺と勝負したってのか?」



ギッチャギッチャ。


マジックハンドを軽く弄ぶと、ボスは俺を見て、ニヤリと笑った。

「えっ?…は、はい。」

咄嗟に出た俺の返事には、かすかな期待が込められていた。




しかし、それは気休めにもなりはしなかった。


「始末しろ。」


すぐさま顔を正したボスは、非情な号令をかけた。



すると、手下達の拳銃が、俺に一斉に向けられた。
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