銭コ乗せ

ともかく、トレードするしかねぇ。四の五も言わずに叩き付けて、変わりになんかをぶんどってやる。


…全身タイツを叩き付けるなんて…こんな大人にはなりたくなかったよ、母さん。

全身タイツを購入してから、もう五日も経ってしまった。ちょっとヤボ用があったもんでな。へっ。へっへっ…

はい、うそぉー!

だって、だってだって、通行人に全身タイツ差し出すなんて、スゴい恥ずかしくない?そんなこと出来なくない?

でも…もうモジモジしてらんねぇ。期限は明日まで。マジで限界、ギリギリだ。

ターゲットを探そう。
俺は繁華街をウロチョロした。
目に止まったのは光輝く指輪。

あの女、ここで決めるしかねぇ。

「おいっ!ねぇちゃんゴラァ!いい指輪してんじゃねーか。ちょっと、俺のコレと交換してくんねーか?なぁ?おい。」

片手で真直ぐと突き出したのは、

もちろん全身タイツ。

ここはゴリ押しだ。ナメられたら死ぬ。

全身タイツに殺される。


タイツ死に…それだけは勘弁だ。
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