雨粒ドロップ

もうすっかり日は落ちて、微かに茜の残る西の空と、
東の空には輝く三日月の小さな船や、散りばめた宝石のような星がかかっていた。

昼間は美しい紅を湛えていた木々も、群青色の空に黒いシルエットを浮かべている。

辺りはしんと静まりかえり、鈴虫や蛩の澄んだ歌声が響きわたる。

そんな中、脩人と愛璃は暗い夜道を目的地目指してひたすら走っていた。


「…愛璃!…おい!…愛璃…待てって!」

脩人は少しばかり息が上がってきているようだ。
しかし愛璃は知らん顔。

「待ってられっか!!お前ハンドボールやってんだろ?!走れ!!!」

愛璃はチーター顔負けの猛スピードで夜道を駆けていた。

それを隣に並ぶようにして走っていた脩人も、段々距離が離れていく。

「お前…ほんとバケモンみてぇだな!」

「うるさい!しゃべってる暇があったら」

走れ、と言いかけた愛璃に、脩人が並んだ。

「まぁ、バケモンなんかに負ける俺じゃないがな」


「…?!」

「早く行こうぜ!

…雛が待ってる」


そう言って愛璃の頭にポンと手を置くと、軽々と愛璃を追い抜いた。



「~‥畜生ーっ!!!!
‥負けてっ、たまるかぁっ!!」

そう言うと、愛璃も脩人を追い抜こうと一気に速度を上げて走り出した。








…ちょ、お二人さん?




何か目的、変わってません?
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