胡蝶蘭
店長は豪快に笑った。



「それぁ、男だってそうさ。
偉槻がお前に与えてやりたいんだから。」


「そうなのかぁ?」


「そうだ。」



でも、あたしはもらいっぱなしは好きじゃない。



そう言うと、店長はまた笑った。



「嬢ちゃんらしいな。
じゃあ、そのぶん甘えてやんな。」


「…もう十分甘えてると思うけどな。」



甘えすぎるなんてこたぁねぇよ、と店長は言う。



でも。



「偉槻、きっとそういうべたべたするの嫌じゃん?」


「いやぁ?
奴はクールそうに見えて、実はクールなんてもんじゃない。
嬉しがってるさ。」


「そうかなぁ。」



誓耶は一口、コーラを口に含んだ。



口の中で泡が弾ける。



店長は顔をしかめる誓耶を見て笑っている。



カラン、と入口が開いた。



二人で無意識に振り返る。



「あ…。」



茉理子だ…。



誓耶は無意識に腰を浮かせた。



その腕を店長が押さえつける。




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