胡蝶蘭
茉理子は顔を赤くしている。



仁王立ちした茉理子の前で、誓耶は余裕をかましてコーラを飲んだ。



「あんたこそ、偉槻から離れてよ。」


「なんですって?」


「偉槻、あんたのことうざがってる。」


「なんであんたがわかんのよ。」


「偉槻から聞いた。」



しれっと言い放ってやると、茉理子は少し心配そうな声になった。



「嘘でしょ。」


「嘘じゃないよ~。」



聞いたもん。



ってか、最初の契約はあんたがいたからこそ結ばれたものだし。



それが証明だよ。



「でも、あたしと偉槻は寝たことだってあるんだから。」



それがあんたの唯一の強みだろ?



「何回?」


「え?」



怯んだ茉理子に、誓耶は睨みを飛ばした。



「何回だよ?」


「一回よ。」



茉理子は誓耶から視線を外して言った。



「一回ポッキリだろ?」



茉理子はぐっと詰まる。



誓耶は勝ち誇って言った。



「一夜の過ちだな、それ。
あんた、大人ならわかるだろ。
セックスするイコール恋人じゃないんだよ。」



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