胡蝶蘭
身体が、震えだした。



「ここでいいな。」



何が?



答えはわかっている。



怖い。



嫌だ。



過呼吸になりかけている誓耶を引きずり、男は公園の中に入っていく。



「まったく、ちょうどいい茂みがあったもんだよなぁ。」



男は、ははっと笑う。



植木が立ち並ぶ茂みの中ほどまで分け入ると、男はと突然に誓耶を引き倒した。



「やっ!」


「おっと、殴んなよ?
お前、結構痛いんだよ。」



さっき誓耶が殴ったところをさすり、男は舌打ちする。



そして、拳で誓耶の頬を殴りつけた。



「顔に傷つくったって、文句言えねぇぞ。
お前が先に手ぇ出したんだからな。」



誓耶は思い切り睨み、精一杯の抵抗をする。



「声、出すなよ?」



脅すように言って、男は誓耶の服を破いた。



「さみーなー。
ま、我慢しろよ、金ないから。」



一応、木々が風よけになるものの、やはり寒い。



真冬にこんなところでこんなことをするなんて。



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