胡蝶蘭
「社長さん、いい人?」



そう尋ねると、何故か慎吾はクックッと笑った。



「なんで笑うんだよ?」


「いや。
いい人なんだけど、なんかアクが強いっていうか…。」



ちょっと待て言葉探すから、と慎吾は頭を掻く。



あれでもない、これでもないと頭をひねり、出した答えが…



「良いヤクザ上がり!」


「はぁ?」



思わず肩を揉む手を止める。



ヤクザ上がりってなんだよ。



「お前、ヤバいとこで働いてんじゃないだろな。」


「大丈夫、ヤバくないって。
ちゃんとした会社。」


「ならなんで社長がヤクザ上がりなんだよ。」


「ヤクザだなんて言ってねぇだろ、良いヤクザって言ったの。」


「変わんねぇよ!」



辞めさす、と息巻く誓耶を慎吾が慌てて引き留めた。



「馬鹿、落ち着け!
いいとこだって、ちゃんと給料も貰ってるって!」


「お前のこと信頼できるかボケェ!」



だいたい、社長の説明求めたらヤクザって返すなんてどうかしてる。



こいつが馬鹿正直なのは知ってるから、本当にそんな感じなんだろう。




…だとしたら大問題じゃねーかよ!



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