夏恋―NATSUKOI―
短い時間
―夜―

「はぁっ?!寝る場所、枝里とじゃないの?」

「何、ふざけたこと言ってるの?当たり前。あたしは侑汰とだから。あんたは、圭くんとね?」


言い終わると同時に、枝里はホテルの部屋へ入ってしまった。

うぅ…枝里のヤロー…



「夏子ちゃん?入らないの?」


ドアから顔をのぞかせた佐藤くんが、私を呼んだ。

佐藤くんは何も思ってないんだよね…


「おじゃまします」


「ハハ…ここ、俺の家じゃないから」

無邪気に笑う姿に、また、キュンとする。



「わぁっ、広い」

部屋はすごく広くて、綺麗で…

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