私はこの宙を何よりも尊いものだと信じます。
俺はいつも多架を見ていた。多架も俺を見ていたから、いっつも目が合って…

そんな幸せが続いていたのに一瞬にして壊れたのは、
祭りが終わったあと一週間ぐらい過ぎたころだった。

俺たちは自然消滅であっけなく終わってしまったんだ…。

***多架side***

授業のチャイムが鳴り私は静かに椅子に座る。
ボーっとする日が増えて、
授業なんて聞かないで手紙を書いてる日が増えて…
成績もみるみるうちに落ちていった。
「最悪…」
2学期が終わった時の通信簿は1学期のモノとはまるで違くて…
そぅ、私はこの時に夢を失ったの。
宗樹と同じ学校に行くっていう夢。宗樹は馬鹿チンだったから、
私が頑張って教えてあげれるくらい頭良くなんなくちゃって思ってた。
そんな事も考えれなくなってしまって…
終わって残ったのは恨み、怒り、悲しみ、憎しみ…
そして大きな大きな後悔だった。
「終わったんだから仕方ないよ…。」
皆、私にこう言う。
『なんもわかんない癖に分かった風に言わないでよ…』
そう思う事が多くなっていて…。
今考えれば、まだ間に合っていたんだと思う。
ちゃんと話合って言えば、お互いの事を考えて居れたなら…。
これからは大きな後悔と戦わなくてはならない。
だって私は、絶対にしてはいけない禁忌を起こしたから…
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