初恋の向こう側

二月になると三年は自由登校になり、校舎内のボリュームも幾分ダウンしたように思う。

冬休みの成沢との一件の後、ヒロがまた何か言われたりしてないか気になっていた。

それを問うと、心配しないでって笑ったヒロ曰く。


成沢は

『バスケの実業団入りが決まってるから下手なマネはできない』

らしい。


それから補足して

「向こうから手が出せないなら、やっぱりあの時一発殴っても良かったかな?」

って言ったんだ。


こういうとこがさ、ヒロらしいよな。


< 142 / 380 >

この作品をシェア

pagetop