君を想う
食べ終えて レストランを出て


家に向かって歩いた


「車で来ればよかったな・・・」


「え?」


「結構 距離あるから・・・


疲れただろ?」


そう言って お兄ちゃんは少し


寂しい顔をしていた


「そんな事ないよ?


歩くの好きだし・・・こうやって


お兄ちゃんと話すの楽しいもん!」


私は明るくそう言った


ぎゅ


お兄ちゃんは私の手を握った


「危ないから・・・」


「・・・うん」


ドキン ドキン・・・


こうやって 手を握って


歩くなんて小学生以来だな・・・


よく 登下校の時


こうやって手を繋いで歩いたっけ?


ちょっと懐かしい気持ちになった


「あのさ・・・麻美」


「え?」


「まだ・・・気にしてるか?」


それは 私達が兄妹じゃないって事?


それとも・・・朔哉君の事かな?


「もう気にしてないから・・・」
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