君を想う
「・・・いいよ」


目をこすりながら そう言った


「あの・・・運んでくれて


ありがとう」


「え?」


「咲帆ちゃんから・・・聞いて」


あの時・・・麻美が倒れた時


自分でもどうしてだか


身体が動いていた


麻美を抱きかかえて 


保健室まで運んだ


「最近・・・疲れたせいかな?」


やめろ・・・


無理すんなよ


頼むから・・・それ以上


自分を苦しめるなよ


ぎゅ


俺は 無意識に麻美を抱き締めていた


「さ・・・朔哉君?」


「・・・もういいよ 麻美」


「え?」


「もう・・・そんな風に無理して


笑ったり 自分を追い詰めるなよ」


麻美を追い詰めているのは


俺かもしれない・・・


だけど 俺にはどうする事も


出来ないから


だから・・・ごめんな?
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