君を想う
「次 サボる?」


「ううん・・・平気」


少しだけ 楽になった


私と咲帆ちゃんは 教室に向かって


歩いていた


「あのさ・・・麻美」


「え?」


「私・・・お兄さんの事


諦めてないから」


ドクン


少しだけ・・・胸が痛んだ


そんなのわかってる


「・・・咲帆ちゃん」


「今 1番悩んでるのは


麻美だけじゃないと思うよ?」


悩んでいるのは 私だけじゃない


それは 朔哉君もお兄ちゃんも・・・


そうだよね


「でも 決めるのは麻美だから・・・


私が色々言っても仕方ないし」


咲帆ちゃんは 少し悲しい顔を


しながら言った


本当の兄妹じゃなくても・・・


そうだってわかってても


私は・・・こんな気持ちのまま


お兄ちゃんを好きだなんて


思いたくないし 言いたくない


軽い気持ちのままなんて・・・


絶対に嫌だった
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