RED×HEAVEN
「リュウ、どうする?」



エンが言った。



エンとエマの声は常に頭上から聞こえてくる。



2人の姿は見えないが、2人からは俺の姿が見えているのだろう。



「警察官をあの子のところへ行かせるよ」



たぶん、逃がすよりもきっちりと注意を受けさせた方が、結果的には少年の為になるだろう。



少年が警察官の言うことを聞くかどうかは別として。



「…どうすれば警察官を真っ直ぐ来させるように出来るんだ?」



エマに聞いたつもりだったのだが、答えたのはエンだった。



「そんなの自分で考えなよ」



冷たい。



っつーか、ほとんど何も教えてもらえてない状態で何をどう考えりゃいいんだ。



でもまぁ、そんな事は口に出さない。



俺、大人だし。
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