RED×HEAVEN
「疲れた」



幽霊でも疲れは感じるらしく、身体がやけに重かった。



そりゃそうだ。



今日だけでも5件も悪行を阻止したんだから。



あらゆるモノを消しては出し消しては出ししてりゃ、体力が消耗するのは当たり前だ。



…当たり前?



生きている時ならそれも当たり前だが、死んだ今でもそれは当たり前なのか?



「おい、当たり前なのか?」


「何が?」



エンがめんどくさそうな声で言った。



「閻魔大王なら気持ちくらい読めよ」


「こっちにその気がないから読めない」



最近エンは反抗期なのか、やけに突っかかってくる。



大人になれよな。



「リュウもね」



その気になったならそう言えよな。
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