RED×HEAVEN
俺も二人の後をつけ続けた。



向かう先は高架。



高架の下には薄暗く人通りの少ないトンネルに近い通路がある。



狂気じみた男に後をつけられている事に気付いていながらも、そんな危険極まりない場所を通ろうとする女の気持ちも理解し難い。



家に帰りつくまでの最短距離なのだろうか。



「ふぅ〜…ふぅ〜…」



俺は男の荒い息遣いが聞こえる距離まで近づいた。



やはり、この男に俺の姿は見えていない。



恐らく、女の方にも見えていないだろう。



大半の人間には俺の姿は見えないし、存在すら気付かれない。
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