友空物語

第１章 「春と桜」

春休みも終わり

翔一は
今日、始業式のためだけに
高校へと向かった


翔一が通う高校は
坂を上って
山の上のほうにある


翔一は
ヘアーワックスでツンツンにさせた
髪をいじりながら


翔一「くっそ～ 誰だよ
うちの学校山の上に建てたの」と
登校する度にこう愚痴っている


坂を上りきると
校門が見えてきた


学校沿いに
桜の木があり
桜の花もまだ少し咲いている


そんな桜を見ながら
翔一は
玄関に向かい
上履きにはきかえて
自分の教室に向かった


翔一は２年生なので
教室は２階ある


階段を上がり
２ー１の教室に向かった


教室に入ると
翔一の机の上に座っている
龍太と
椅子に座っている
友ちゃんが笑いながら話している


翔一「コラ 他人の
机の上に座ってんじゃねー」と言って


机の上に
座っていた
龍太に軽くかばんをぶつけた


龍太「おっす 翔一 おはよ～」と
翔一の肩に手をのせた

椅子に座っていた
友ちゃんも

友ちゃん「翔ちゃん おっは～」

翔一「おう おはよう

つーか 朝から

二人ともテンション高けーな」


龍太「あたりめーじゃん

今日から新学期だぜ

ああ

今年は 彼女できるかな」と
手を胸の前で合わせ
目をキラキラさせた