木苺の棘
でも、過去と違うのは
逃げ出そうとした私の手を
貴方が掴む。

さっきよりも
きつく、ぎゅっと・・・

貴方は、その手を
放してはくれない。

「放して、先輩?」

貴方は、何も言わない。

「放してください」

どうすれば、この手を
解いてくれますか?

私からは、振り解くこと
できないよ・・・

何故だか、分からないけど
涙が溢れて来た。

ううん、本当は知ってる。

涙が流れるのは・・・

私は、今もまだ
貴方を忘れられなくて
死ぬ程、貴方が好きだから・・
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