木苺の棘
「俺、ちょっと
 出掛けてくるわ」

上着を纏い

車の鍵を持ち

慌てて靴を履き

出て行く、漣。

「タマキ、どうした?
 おい、タマキ・・・」

俺は、いったい
どこへ向かうのか・・・

分からない・・・?

でも、今の俺が
アリスにしてやれること・・

それは、離れずに

傍に居てやること。

きっと、アリスは
泣いている・・・

八重を亡くした
あの日のように。
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