木苺の棘
私は、仕事を終えた後
真っ直ぐ、家に帰る事が
できなくて・・・

一人きりになる事を
避けるように、お客様の
アフターに付き合う。

ホテルの最上階
静かなラウンジで
お酒を飲む。

「モカちゃん、最近は
 お母さんの具合は
 いいの?」

「えっあっ、はい」

「そうか、良かった
 俺が懲りずに誘い
 続けたから
 無理して付き合って
 くれたのかと思ったよ」

「そんな・・・
 そんな事無いですよ」

「君の帰りを待っている
 お母さんには
 申し訳ないけれど
 ・・・」
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