木苺の棘
『ヤエが亡くなる前
 俺は、お前に言った』

八重が亡くなった前後の
記憶が曖昧な私・・・

正直、よく憶えていない。

あの頃の私は、八重の死が
あまりにも衝撃すぎて
彼女の死を直視する事が
できなかった。

ただ、分かること・・・

それは、私の言葉が
八重の心を蝕み
そして、彼女は学校の
屋上から飛び降りた。

私は、自分を責め続け
何も、考えたくない
何も、思い出したくない
全てを忘れてしまいたい
と、何度も何度も
強く念じた。

現実から目を叛ける日々。
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